相続財産を特定する際に、共同財産制と別財産制のどちらにチェックすればいいですか?
相続財産を特定する際に、既婚者の場合、まずは夫婦財産法(régime matrimonial)をチェックする必要があります。
フランスの法定財産性では、原則として、夫婦間で財産を共有する共同財産制度(la communauté réduite aux acquêts)となります。
この共有財産とされるのは、基本的に結婚形成された財産で、相続や贈与によって取得された財産は除外されます。結婚後に得た財産、たとえば不動産、貯金、株式、車両、高価な家具などは、原則として夫婦それぞれで50%ずつ分割されます。
締結後は別の財産制度に変更できますか?
はい、できます。
結婚時または結婚後に夫婦契約(contrat de mariage)を締結し、夫婦財産制度を別の財産制度である別財産制(la séparation de biens)または夫婦包括財産制(la communauté universelle)に変更することが可能です。結婚契約は、公証人のもとで締結します。
結婚後に収入などで形成された財産を個別に所有します。共同名義で不動産を購入した場合、その不動産の所有権比率は購入時に合意した比率に従います。
夫婦の結婚前後は関係なく、夫婦共同財産に入る財産を決める制度。
注意点:フランス国外で結婚し、その後1年以上その国に居住した場合、結婚契約を結んでいない限り、その国の夫婦財産制度が適用されます。適用基準は、婚姻後最も長く居住した国です。日本の法定制度は夫婦別財産制ですが、しかし、婚姻中に10年以上フランスに居住した場合、フランス法(つまり共同財産制)が適用されます。
この記事は、12.05.2023のものです。